ヤマハの電子キーボード「PSR-SX620」は、2020年11月発売の「PSR-SX600」に続くモデルとして、2026年10月27日に発売されます。
大きな違いは、音色・スタイル数の増加、ジョイスティックの採用、コードルーパーとBluetoothオーディオの搭載、エクスパンションメモリーの拡大(約100MB→約380MB)、新開発スピーカー「Internal BassPort」の5点です。
一方で、61鍵・4.3インチ画面・最大同時発音数128・アンプ出力15W×2・質量8.1kgといった基本仕様は変わっていません。
この記事では、ヤマハ公式の仕様表をもとに両機種の違いを一覧で比較し、音色数の数え方の違いや、SX620の仕様表に載っていない機能、どちらを選ぶべきかまで整理します。
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PSR-SX620とPSR-SX600の違いを一覧で比較
PSR-SX620は、鍵盤・画面・出力といった土台をSX600から引き継ぎつつ、音色数や操作子、ワイヤレス機能を強化したモデルです。
ヤマハはSX620を「国内フラッグシップモデル」と位置づけています。
主な仕様の違いは次のとおりです。
| 項目 | PSR-SX620 | PSR-SX600 |
|---|---|---|
| 発売 | 2026年10月27日 | 2020年11月 |
| メーカー価格 | オープン価格 | オープン価格 |
| 音色 | 1,002ボイス+51ドラム/SFXキット+480 XGボイス | 850ボイス+43ドラム/SFXキット+480 XGボイス |
| スタイル(自動伴奏) | 450 | 415 |
| ピッチ/モジュレーション | ジョイスティック | ピッチベンド・モジュレーション |
| コードルーパー | あり | なし |
| Bluetooth | オーディオ(受信のみ) | なし |
| エクスパンションボイス | 最大約380MB | 最大約100MB |
| スピーカー構造 | Internal BassPort(新開発) | ― |
| 鍵盤 | 61鍵 | 61鍵 |
| ディスプレイ | 4.3インチ カラー液晶 | 4.3インチ カラー液晶 |
| 最大同時発音数 | 128 | 128 |
| アンプ出力/スピーカー | 15W×2/12cm×2 | 15W×2/12cm×2 |
| 質量 | 8.1kg | 8.1kg |
表のとおり、SX620の変更点は「中身の量」と「操作・接続の便利さ」に集中しており、画面サイズや出力などのハード面の基本スペックは据え置きです。

比較☆比べるを徹底調査
価格はどちらもオープン価格です。
実売価格は、サウンドハウスでSX620が119,900円(税込、2026年10月25日時点)と表示されています。
同じサウンドハウスのSX600のページでは、同日時点で価格が表示されていませんでした。
海外のレビューサイトgearnewsでは、SX620は「SX600を置き換える」モデルと紹介されています。
音色・スタイル数はどれだけ増えたか
同じ基準で比べると、音色はSX600の893(850ボイス+43キット)からSX620は1,053(1,002ボイス+51キット)へ、スタイルは415から450へ増えています。
ただし、公式サイトでの音色数の書き方が両機種で異なるため、数字をそのまま比べると逆の印象になる点に注意が必要です。
音色数は「1,053」と「1373」で数え方が違う
SX620のニュースリリースでは「1,053音色」、SX600の製品ページでは「1373音色」と書かれています。
この数字だけを見るとSX600の方が多く見えますが、数え方が違います。
| 表記 | 内訳 | XGボイス480 |
|---|---|---|
| SX620「1,053音色」 | 1,002ボイス+51ドラム/SFXキット | 含まない |
| SX600「1373音色」 | 850ボイス+43ドラム/SFXキット+480 XGボイス | 含む |
「1,053」と「1373」を並べて比べると、SX620で音色が減ったように誤解してしまいます。
XGボイス480は両機種に共通で搭載されているため、比べるならXGボイスを除いた数(SX620:1,053、SX600:893)で見るのが適切です。
音色の中身も、特徴的なボイスのカテゴリーごとに増えています。
| ボイスの種類 | PSR-SX620 | PSR-SX600 |
|---|---|---|
| スーパーアーティキュレーション | 137 | 73 |
| メガボイス | 34 | 27 |
| Sweet! | 31 | 27 |
| Cool! | 74 | 64 |
| Live! | 89 | 71 |
特に、楽器特有の奏法やニュアンスを再現するスーパーアーティキュレーションボイスは73から137へと大きく増えています。
スタイル・マルチパッド・エフェクトの増加分
スタイルやマルチパッド、エフェクトのプリセットも、SX620でそれぞれ増えています。
| 項目 | PSR-SX620 | PSR-SX600 |
|---|---|---|
| スタイル数 | 450(プロ416、セッション33、フリープレイ1) | 415(プロ372、セッション32、フリープレイ1、DJ 10) |
| マルチパッド | 226バンク×4パッド | 188バンク×4パッド |
| リバーブ | 59プリセット+30ユーザー | 52プリセット+30ユーザー |
| DSP | 322プリセット+30ユーザー | 295プリセット+30ユーザー |
| インサーションエフェクト | DSP2~9:322プリセット+30ユーザー | 仕様表に記載なし |
| コーラス | 106プリセット+30ユーザー | 106プリセット+30ユーザー |
スタイルは合計で35増えていますが、内訳を見るとSX600にあった「DJスタイル」がSX620の仕様表には記載されていません。
エフェクトでは、SX620の仕様表にインサーションエフェクト(DSP2~9)の項目が新たに加わっています。
なお、マイク用エフェクト(ノイズゲート・コンプレッサー・3バンドEQ)は、公式仕様表ではSX600にも同じ内容が記載されており、SX620で新しく加わった機能ではありません。
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操作性と新機能の違い
操作面ではジョイスティックの採用とパネルレイアウトの刷新、機能面ではコードルーパー・Bluetoothオーディオ・エクスパンションメモリーの拡大が、SX620で変わったポイントです。
ホイールからジョイスティックへ、パネル配置も刷新
SX600はピッチベンドとモジュレーションを個別の操作子で行う仕様でしたが、SX620ではピッチとモジュレーションを1本の「ジョイスティック」で操作する方式に変わりました。
海外のレビューサイトgearnewsでも、SX600のピッチホイールとモジュレーションホイールがジョイスティックに置き換わったと紹介されています。
音色やエフェクトを調整できる2つのアサイナブルなライブコントロールノブは、両機種とも搭載しています。
SX620はパネルレイアウトも刷新され、ヤマハは操作頻度の高いコントロールを手の届く位置に配置したと説明しています。
gearnewsによると、ヘッドホン端子もフロントパネル側に移動しているとのことです。
SX600のピッチ・モジュレーション操作に慣れている人は、SX620で操作感が変わる点に注意が必要です。
コードルーパー・Bluetooth・拡張メモリー380MB
コードルーパーは、演奏したコード進行を記憶させ、そのコード進行に合わせてスタイル(自動伴奏)を自動再生できる機能です。
左手でコードを押さえ続ける必要がないため、右手のメロディーやピアノ演奏に集中できます。
各バンクに最大8つのコード進行を保存でき、バンクは無制限に作成できるほか、内蔵のプリセットも用意されています。
Bluetoothは、スマートフォンなどの音楽を本体スピーカーで流しながら演奏する用途に使えます。

比較☆比べるを徹底調査
ただし、ヤマハはSX620のBluetooth機能を「オーディオ受信にのみ対応」としており、Bluetooth経由のMIDI接続には対応していません。
海外記事にはBluetooth MIDIに触れているものもありますが、国内の公式情報では受信オーディオのみとされています。
エクスパンションボイス用の容量は約100MBから約380MBへ増え、追加の音色やスタイルを多く入れられるようになりました。
ニュースリリースでは「内蔵メモリーの容量も380MBへ大幅に拡張」と書かれていますが、仕様表で380MBとされているのはエクスパンションボイス用の領域で、ユーザーデータ用の内蔵メモリーは両機種とも最大約20MBです。
拡張コンテンツは、SX620ではアプリ「EXPANSION EXPLORER」(iOS、Android、Windows、Mac対応)を使ってスマートデバイスから検索・インストール・管理できます。
SX600の製品ページでは、拡張パックの作成などに使うソフトとして「Yamaha Expansion Manager」が案内されています。
音・サイズ・端子で変わった点と変わらない点
アンプ出力(15W×2)とスピーカー口径(12cm×2)は同じですが、SX620はスピーカーの構造が新しくなり、本体サイズもわずかに変わっています。
SX620は新開発のスピーカーシステム「Internal BassPort」を採用しています。
ヤマハの説明では、内部構造の最適化で低音の深みと響きを強化し、フロントバスレフ設計で低音を演奏者へ効率よく届けるとしています。
外部スピーカーやPAシステムにつなぐLINE OUTも改良され、接続時の音質を高めたとされています。
いずれもメーカーの説明で、出力の数値自体は変わっていないため、実際の聴こえ方の差は店頭などで確かめるのが確実です。
サイズ・電源・端子の違いは次のとおりです。
| 項目 | PSR-SX620 | PSR-SX600 |
|---|---|---|
| 寸法(幅×高さ×奥行) | 993×143×404mm | 1004×134×410mm |
| 質量 | 8.1kg | 8.1kg |
| 消費電力 | 18W | 17W |
| 電源アダプター | PA-300C | PA-300C |
| USB TO HOST | USB Type-C | あり(MIDI/オーディオ) |
| USB TO DEVICE | USB Type-A | あり |
| マイク入力 | モノラル標準フォーン | モノラル標準フォーン |
| AUX IN | ステレオミニ | ステレオミニ |
| OUTPUT | L/L+R、R | L/L+R、R |
| 付属品 | 取扱説明書、譜面立て、電源アダプター、電源コード、保証書、和文シート(共通) | |
SX620は幅が11mm、奥行が6mm小さくなった一方、高さは9mm高くなっています。
電源アダプターはどちらもPA-300Cなので、SX600から買い替えても同じ型番のアダプターです。
ヤマハ公式サイトでは、スタンドのL-7B・L-6、ソフトケースのSC-KB650がSX620対応品として案内されています。
パソコンとつなぐUSBオーディオインターフェース機能は、SX600の公式仕様表には「44.1kHz、16bit、ステレオ」と記載されています。
SX620は公式仕様表に該当項目がなく、販売店のサウンドハウスでは「USBオーディオインターフェース機能に対応」と紹介されています。
鍵盤(61鍵・タッチ感度付き)、4.3インチのカラー液晶、AWMステレオサンプリング音源、最大同時発音数128は両機種で共通です。
PSR-SX620とPSR-SX600はどちらを選ぶべきか
これから新しく買うなら、音色・スタイル数とコードルーパー、Bluetoothオーディオが加わったSX620が基本の選択肢です。
ただし、SX600で使っていた機能の中には、SX620の仕様表に記載がないものがあります。
| 項目 | PSR-SX620 | PSR-SX600 |
|---|---|---|
| ユニゾン&アクセント | 仕様表に記載なし | あり(80スタイル) |
| DJスタイル | 仕様表に記載なし | 10スタイル |
| フットペダル端子2の機能 | アーティキュレーション1 | ユニゾン |
ユニゾン&アクセントは、タッチの強さで伴奏にアクセントを付けたり、ユニゾン演奏をしたりできるSX600の機能です。
この機能やDJスタイルを演奏で多用している場合は、SX620へ買い替える前に、店頭や取扱説明書で使えるかどうかを確認してください。
状況別の選び方は次のとおりです。
| こんな人 | おすすめ |
|---|---|
| これから初めてPSR-SXシリーズを買う | PSR-SX620 |
| スマホの曲を流しながら練習・セッションしたい | PSR-SX620(Bluetoothオーディオ) |
| コード進行を流しながら右手の演奏に集中したい | PSR-SX620(コードルーパー) |
| 拡張音色・スタイルをたくさん入れたい | PSR-SX620(約380MB) |
| ユニゾン&アクセントやDJスタイルをよく使う | PSR-SX600を継続、またはSX620での対応を確認してから判断 |
| SX600を使っていて、画面や鍵盤、出力に不満はない | 新機能が必要でなければ急いで買い替える必要は小さい |
価格面では、SX620はサウンドハウスで119,900円(税込、2026年10月25日時点)です。
SX600は同店で価格が表示されておらず、新品の実売価格は確認できませんでした。
SX600の生産完了について、ヤマハ公式の告知は確認できていないため、在庫の有無は各販売店で確認する必要があります。
SX620は、画面や出力といった基本スペックは同じまま、音色・スタイルの量と、ジョイスティック・コードルーパー・Bluetoothオーディオによる使い勝手を強化したモデルです。
これらの新機能に魅力を感じるならSX620、ユニゾン&アクセントなどSX600ならではの機能を重視するなら、SX620での対応を確認してから選ぶのがおすすめです。

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参考・出典
